「冬キャンプの景色は見たいけれど、パートナーが極度の寒がりで心配…」
「2人用のテントだと、ストーブはどう置くのが正解?」
そんな悩みを持って、冬キャンプへの一歩を踏み出せずにいませんか?
もし準備不足で挑んでしまうと、寒さで一睡もできず、翌日は寝不足でイライラ…。最悪の場合、喧嘩になったり風邪を引いてしまったりと、楽しいはずの思い出が台無しになってしまうこともあります。
でも、安心してください。
冬キャンプは、適切な「暖房器具選び」と「テント内レイアウト」さえ知ってしまえば、家のリビング以上に快適で、特別な時間を過ごすことができます。
今回は、デュオキャンプに特化した暖房術をご紹介します。
デュオキャンプの暖房、まずは「電源サイト」か「電源なし」かで決める
暖房対策を考える時、最初に決めるべきは「どこのキャンプ場に行くか」ではなく「コンセント(AC電源)があるサイトか、ないサイトか」です。これによって装備が180度変わります。
初心者は「電源サイト」一択!電気毛布が最強説
もしあなたが「冬キャンプデビュー」あるいは「絶対に失敗したくないデートキャンプ」を計画しているなら、迷わず「電源サイト」を予約してください。
なぜなら、電気毛布やホットカーペットが最強だからです。
冬キャンプの寒さの正体は、空気の冷たさよりも「底冷え(地面からの冷却)」にあります。どんなに高性能なダウンジャケットを着ても、背中やお尻が冷たいと体温はどんどん奪われます。
家の電気毛布を持ち込み、こたつスタイルやお座敷スタイルで過ごしてみてください。「ここは家か?」と錯覚するほど快適で、底冷えとは無縁の世界が待っています。
【寝る時の秘密兵器】「湯たんぽ」があれば朝まで快眠!
実は、ベテランキャンパーほど愛用者が多いのが「湯たんぽ」です。
就寝時、安全のためにストーブを消すと、テント内の気温は外気と同じ氷点下まで下がります。そんな時、寝袋の足元に湯たんぽが一つあるだけで、体感温度が劇的に変わります。
- 直火OKの金属製(マルカなど)がおすすめ 金属製の湯たんぽなら、ストーブの天板に置いて直接温め直しができるので、お湯を沸かす手間が省けて非常に楽です。(※蓋は必ず外して温めてください)
- 電気毛布のバックアップに ポータブル電源の電池切れが心配な場合でも、湯たんぽはアナログなので壊れる心配がありません。
「足元が暖かいと人間は眠れる」というのは本当です。パートナーが冷え性なら、絶対に喜ばれるアイテムですよ。
電源なしサイトなら「石油ストーブ」+「ポータブル電源」
「もっと景色の良いフリーサイトに行きたい」「電源サイトは予約がいっぱい…」
そんな「電源なし」の環境でキャンプをするなら、自前の熱源が必要です。
基本装備は以下の組み合わせになります。
- 空間を暖める: 石油ストーブ
- 寝床を暖める: 電気毛布 + ポータブル電源
特にデュオキャンプでは、焚き火だけで暖をとるのは限界があります。テント内で過ごす時間が増える冬こそ、頼れるストーブを一つ導入しましょう。
デュオ(2人)に丁度いい!おすすめ石油ストーブ3選
ファミリー用の大型ストーブは、暖かさは抜群ですが、2人用のテントや車(積載)には大きすぎて邪魔になることも。
適正な出力:2.5〜3.5kWがベストな理由
一般的なデュオ向けテント(2〜3人用、室内容積 約6〜10㎡)を暖めるには3kW前後が最も効率的。
ここでは、デュオキャンプに最適なサイズ感と機能を持ったおすすめストーブを3つ厳選しました。
- 2kW台 → 暖まり始めが遅い、厳冬期だと不十分
- 4kW以上 → テント内が暑くなりすぎる&結露・COリスク増、積載の邪魔になる
| 出力(kW) | 向いているキャンプ条件 | メリット | 弱点・注意点 |
|---|---|---|---|
| 2.0〜2.5kW | ・秋キャンプ(外気5〜10℃)・小型テント | ・燃費が良い・扱いやすい | ・冬の朝方は寒い・デュオでは暖房力不足 |
| 2.5〜3.5kW(推奨) | ・冬キャンプ(0℃前後)・デュオ(2〜3人用テント) | ・暖まりが早い・燃費のバランス良い・デュオに最適 | ・狭いテントだと少し熱い場合あり |
| 4.0kW以上 | ・大型テント・ファミリーキャンプ・通気性の高い軍幕 | ・寒冷地や広い空間でも十分暖まる | ・デュオにはオーバースペック・テント温度25℃超えしやすい |
① 比較表(スペック一覧)
| 商品名 | メーカー | 種類 | 暖房出力 | 燃焼時間 | サイズ感 | 価格帯 |
| JKH-1 (JKH-1S) | PASECO | 石油ストーブ | 3.0 kW | 約18時間 | 中型・軽量 | 低 |
| レインボー | トヨトミ | 石油ストーブ | 2.50 kW | 約20時間 | 中型・縦長 | 中 |
| ブルーフレーム | Aladdin | 石油ストーブ | 2.68 kW | 約15時間 | 大型・円筒 | 高 |
| K3-GM1-G | トヨトミ | 石油こんろ | 2.45 kW | 約13時間 | 小型・箱型 | 中〜高 |
| マイ暖 | Iwatani | ガスストーブ | 1.0 kW | 約3〜4時間 | 超小型 | 低 |
1. PASECO (パセコ) JKH-1 / JKH-1S
【特徴まとめ】
韓国発、コスパ最強のアウトドア用ストーブ。3.0kWという高出力でこのサイズ感・価格帯は他にありません。とにかく「安くて暖かい」を求めるキャンパーの救世主。2024年モデル(JKH-1S)等は振動自動消火装置も搭載され進化しています。
- こんな人におすすめ: 予算を抑えたい人、真冬の寒さが心配な人、ガシガシ使いたい人。
- メリット: 圧倒的なコストパフォーマンス。同クラスの他社製品より火力が強く暖かい。
2. トヨトミ レインボーストーブ
【特徴まとめ】
安心の日本製。ガラス円筒に浮かぶ「7色の炎(レインボー)」が最大の特徴で、ランタンのような優しい明かりがサイトを照らします。燃費が非常に良く、満タンで20時間近く持つため、1泊なら給油の手間がありません。
- こんな人におすすめ: 安全性と信頼性を求める人、燃費を気にする人。
- メリット: 炎が美しく癒やし効果が高い。燃費が最高に良い。万が一倒れても灯油がこぼれにくい「2重タンク構造」。
- デメリット: 真冬のメイン暖房としては少しパワー不足。
3. アラジン (Aladdin) ブルーフレームヒーター
【特徴まとめ】
90年以上変わらない完成されたデザイン。「青い炎(ブルーフレーム)」は完全燃焼の証で、見る人を魅了します。キャンプ場に置くだけでサイトがおしゃれになる「映え」No.1ストーブ。窓からのぞく青い炎は時間を忘れさせます。
- こんな人におすすめ: デザイン・美学を最優先する人、道具の手入れを楽しめる人、レトロスタイルなキャンプをする人。
- メリット: 圧倒的なデザイン性とブランド力。360度どこから見ても美しい。青い炎の癒やし。
- デメリット: 価格が高い。
4. トヨトミ GEAR MISSION K3-GM1-G
【特徴まとめ】
【注目】 無骨なデザインで人気の「GEAR MISSION」シリーズ発、最新の「煮炊き暖房用こんろ」。ストーブではなく「こんろ」という位置づけで、調理と暖房を同時にこなすデュオキャンプに最適な一台。背が低くコンパクトで、鍋を置くのに最適な高さです。
- こんな人におすすめ: 無骨(ミリタリー)なギアが好きな人、冬キャンプで煮込み料理を楽しみたい人。
- メリット: 「調理+暖房」の一石二鳥。重心が低く倒れにくい。最新モデルで他人と被りにくい。
- デメリット: 暖房専用機ではないため、テント全体を温める力は大型ストーブに劣る。
5. イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ“マイ暖”
【特徴まとめ】
灯油を使わず、コンビニでも買える「カセットガス(CB缶)」で動く手軽さが魅力。スイッチオンですぐに暖かくなるため、朝起きた直後や、足元が冷える時の補助暖房として優秀です。Iwatani製ならではの安全装置も充実。
- こんな人におすすめ: 灯油の扱いに不安がある初心者、サブ暖房を探している人、積載が限界の人。
- メリット: 燃料調達・管理が楽。点火・消火が数秒。非常にコンパクト。
- デメリット: 燃焼時間が短い(1本で約3時間強)。パワーが弱く(1.0kW)、これ一台で冬キャンプを乗り切るのは厳しい。
⑤ 結論(迷ったらこれ)
デュオキャンプのスタイルに合わせて選ぶなら…
- とにかく暖かさとコスパ優先なら 👉 PASECO JKH-1
- おしゃれなギアが好きな方なら 👉 アラジン (Aladdin) ブルーフレームヒーター
- 軽量・コンパクト重視なら 👉 イワタニ カセットガスストーブ ポータブルタイプ“マイ暖”
- 「キャンプ飯」と無骨スタイルを楽しむなら 👉 トヨトミ K3-GM1-G (最新!)
テント内のレイアウト実例(デュオキャンプ版)
ストーブを手に入れたら、次は「どこに置くか」です。2人用の2ルームテントやワンポールテントを想定した配置のコツをお伝えします。
ストーブの配置は「入り口」か「中心」か?
- 入り口付近:換気がしやすく、出入りもしやすい配置。奥に寝室(インナーテント)がある場合、少し距離ができるため安全性は高いですが、暖かさが届きにくい場合も。
- テント中心(ポール横など):テント全体に熱が回りやすい特等席。ただし、動線を塞がないよう注意が必要。
どちらに置く場合でも、絶対に欠かせないアイテムが「サーキュレーター(扇風機)」です。
暖かい空気は上(天井)に溜まります。
「顔だけ熱くて足元が寒い」という現象を防ぐために、サーキュレーターを天井に向けて回し、空気を循環させてください。これがあるだけで体感温度が3〜5度は変わります!
【番外編】愛犬(小型犬)と行く場合の注意点
我が家もヨークシャーテリアと一緒にキャンプをしますが、犬の寒さ対策は人間以上にシビアに考える必要があります。
人間は着込めばなんとかなりますが、小型犬は地面に近い位置で生活しているため、冷気をもろに受けてしまうからです。
ドッグコットで「底冷え」から守る
絶対にやってはいけないのが、薄いマットだけで地面に寝かせること。
人間用の椅子や、犬用のコット(ベッド)を使って、地面から物理的に距離を取ってあげることが最も重要です。
犬用湯たんぽや服の重ね着
人間用の貼るカイロは、皮膚の薄い犬には低温火傷のリスクが高く危険です。
電子レンジで温めるタイプの「ペット用湯たんぽ」や、冬用の服の重ね着で調整しましょう。我が家のヨーキーも、冬はモコモコの服+ホットカーペットで爆睡しています。
一酸化炭素中毒には絶対注意!安全対策グッズ
最後に、最も重要な話をします。
テント内で火気(ストーブ等)を使用する場合は、メーカー推奨外の使用方法となることが多いため、自己責任となります。
そこで、命を守るために以下の2点は必ず守ってください。
- ベンチレーション(換気口)は常に全開にする
- 一酸化炭素チェッカーを必ず稼働させる
一酸化炭素は「無臭」です。気づいた時には体が動かなくなっています。
「数千円をケチったせいで…」と後悔しないよう、チェッカーは必ず信頼できるものを用意してください。
↑命を守るための数千円です。ここはケチらずに必ず準備してください。
まとめ
冬のデュオキャンプは、虫もおらず、空気が澄んでいて、星空も焚き火も一番きれいに見える最高のシーズンです。
「寒さ」というハードルさえクリアできれば、本当に贅沢な時間が待っています。
- まずは「電源サイト+ホットカーペット」から
- 慣れてきたら「小型石油ストーブ」を導入
- 「一酸化炭素チェッカー」で安全確保
ぜひ万全の準備をして、パートナーや愛犬と素敵な冬キャンプを楽しんでくださいね。
\ 今のうちにチェック! /
人気のキャンプ用ストーブは、本格的な寒さが来る1月頃には在庫切れや価格高騰が起きます。欲しいモデルがある方は、早めの確保がおすすめです。
まとめ
冬キャンプは装備次第で快適に!初心者は電源サイトとホカペ、慣れたら小型石油ストーブがおすすめ。一酸化炭素チェッカーとサーキュレーターも忘れずに、安全で暖かいデュオキャンプを楽しもう。


